代筆屋プロフィール
デンシンワークス代表
1979年東京生まれ。立教大学卒業。
都内IT企業に勤めるかたわら、2014年よりラブレター代筆屋としての活動を開始。現在までに200通を超えるラブレターを代筆。
その特異な活動が注目され、新聞やラジオ、WEBといった各種メディアに取り上げられるとともに、フジテレビ『ザ・ノンフィクション』、日本テレビ『ニノさん』等、テレビ番組にも多数出演。小林静名義で歌人としても活動。
<著書> 『ラブレターを代筆する日々を過ごす「僕」と、依頼をするどこかの「誰か」の話。』
(インプレス社)
代筆屋をはじめるまでの日々や、請け負ってきた依頼の数々、代筆屋の仕事を通して出会った人々のことなどを綴った代表小林の初エッセイ。
▶︎インプレス社 リリースページ▶︎ダ・ヴィンチ掲載書評
<著書> 『恋人であれ』 (彩流社)
小林静名義での第一歌集。日頃公にされることのないラブレター代筆屋としての活動や日常をはじめ、請け負ってきた依頼者の想い、自身の初恋のこと、会社員としての悲哀、家庭人としての葛藤などを詠んだ全二百首からなる歌集。
代筆屋への想い
私が代筆屋の看板を掲げたのは2014年の春。会社員としてめまぐるしい日々を過ごす中で、ビジネスや金銭、効率性とはかけ離れたところで何かしてみたい。そう思ったのがそもそものきっかけでした。
その中で、ラブレター代筆屋を選んだのは、正直なところ特段の理由はありません。過去、自分が告白をするときはいつもラブレターを書いて渡していたため、なんとなくラブレターに関連する仕事をしてみよう。それだけのことでした。
ただ、ラブレター代筆屋として活動する中で、多くの人と出会い、様々な恋や愛や想いに触れることで、活動当初にはなかった使命感や責任感が生まれてきたのもまた事実です。
最近は、代筆屋を主人公としたアニメ『ヴァイオレット・エヴァ―ガーデン』の影響で、代筆屋をかっこいい職業、ロマンチックな職業ととらえる向きがあると感じています。しかしながら、私の体感としては、まったくそんなことはありません。すごく泥くさい仕事だと思いますし、揶揄されることや嘲笑されることもままあります。儲かるような仕事でもありません。
私は会社員としての一面も持っており、生活だけでいえば、時間や体力を消耗してまで代筆屋をする必要は正直ないです。それでも、私は今日まで代筆屋を続けてきました。なぜか?それは、会社員としては交わることのない人々に出会うことができるから。そして、会社員としては得ることのできない心の充足を、誰かの役に立てているという実感を得ることができるから。それに尽きます。
古くさくて、嘘くさい言葉で言うのなら、この仕事は、私に“愛”を与えてくれるのです。
だから、効率が悪かろうと、手間がかかろうと、私は今日も、きっと明日も、代筆屋であり続けますし、そうありたいと願っています。